古本屋の始めかた:神奈川古書組合より

先日はお忙しい中、貴重なお話を聞かせていただき有難うございました。

組合や古書業界の話だけではなく、開業して利益を上げていくためには何を考え実行していく必要があるかという、商売として基本中の基本のところを改めて考える良い機会となりました。

売りたいものを売るために、売れるものを売っていく、という「こういう店にしたいという気持ち」と「ビジネス」のバランスは常に頭の中に入れておきたいと思います。

また実際の現場を見せていただきましたが、古書業界での経験がない自分には何もかも新しく、貴重な経験になりました。

様々な苦労話を伺い、好きなだけではやっていけないと痛感したこと。山積みになっている古書を目の前に胸がときめく気持ちをまた再確認できたこと。これらが何よりの収穫だったと思います。

繰り返しになりますが、貴重な体験ができました。本当にありがとうございました。

開業にあたって考えておいた方がよさそうなあれこれをネチっこく見てみようというこの連載。
第2回は「ビジネスモデル」です。といってもそんなに小難しい話や奥深い話ではないのですが。
さっそく分けてみましょう。

A.薄利多売
とにかく安く、数を売る、というタイプ。利幅を薄くする、もしくは単価の安いものを売る、のいずれかです。これにはさらに二つあって、
1.大量の在庫を抱えて多く売る
→これにはまず大量の在庫を手に入れる、それを保管する場所を確保する、出荷や販売の人員を確保する、それらにかかるコストで沈まない資金力、などのハードルがあり、最初からできる人はそうそういないと思います。また各種大手と競合するのでなかなか参入が難しいタイプですね。

2.少量の在庫を高速で売る
→こちらはA1に比べると挑戦しやすいタイプではないでしょうか。早く売れる品を安くとも売り、その資金でまた仕入れて早く売る。そのサイクルを回すことで薄利多売を実現する方向性です。
これなら莫大量を仕入れる必要も、広い保管場所を確保する必要もありません。ただし安くしてもなかなか売れないものというのはあるもので、早く売れるものを見極める目は必要でしょうし、売れ筋商品の知識も欠かせません。
とはいえ常に在庫が少ない状態ですので、仕入れを怠ると途端に売るものがなくなってしまいます。この辺りは組合に入って市場を活用できると、買取だけの場合に比べてずいぶん事情が違ってくる点です。

B.厚利少売
こんな言葉はありませんが、要は利幅を厚くするか、単価の高いものを売るかのいずれかです。とはいえ仮に利幅を厚くできても単価が安いと多売の必要が出てくるので、基本は常識的な利幅で単価高め狙いです。
単純化すると同じ利益率でも100円で1日100冊売れる代わりに、1000円で1日10冊売れることを目標にする方向性ですね。この場合、売れ足の速さよりも単価の高い本を見つける知識の方が比重大きくなると思います。
また個人的な感触でしかないのですが、少なくともネットだと単価高めの本は安めの本ほどのスピードでは売れないので、1冊売れるかどうかの影響が大きくなります。100円100冊で10000円が99冊で9900円でも100円差ですが、1000円10冊だと1冊少ないだけで9000円になってしまいます。
これをさらに極端に、1点の単価が100万円なら100円の本の1000分の1の売れ行きでも同等の売り上げなのですが、1点売れるかどうかで100万円の差が出てくるというのはなかなか難しいものです。(余談ですが超高級車なんかはそうそう頻繁に売れない代わりに1台売れると大きな売り上げが立つタイプですね)


とまあ、分けてみましたが実際にはAとBの組み合わせや中間みたいな形でバランスを保ち、リスク分散していくのが無難でもあり、実際に多いところでしょう。ただ特に最初のうちはこの辺りの方針を立てておくと、主に市場で仕入れる場合にどういったものを狙うか決めていきやすくなるはずです。

ちなみに、利幅が厚く単価の高いものをどんどん仕入れられて飛ぶように売れていく、というのは売り上げからすると理想的なのでしょうが、現実はなかなか厳しいものですね?

>第1回はこちら 

ナインブリックスからは以上です。 


こんにちは。メディアリユースです。今年から古書組合に加入したものですが、自分なりの経験からお話させて頂きます。
うちは元々古本屋の経験は無く、最初はネットオークションなどで自分のものを転売していました。次第にその楽しさから気が付けば、いろんなお店に行き、転売できるものが無いか探しにいくことが多くなりました。今では古物商を取って店舗も借りて、お客様から買取をしてネットで売るお店を経営することになりました。人生わからないものです。ただ、水木しげるさんも言っていましたが、「自分がどうしてもやりたくてしょうがないことをやりなさい」ということは当たっていると思います。夢中になれるので何時間やっても嫌になりません。

さて、僕はお店にお客さんをどう呼ぶか?について書きたいと思います。今までいろいろ試しました。郵便局のポスター貼り、店の看板、ホームページ作製、新聞折り込みチラシ、ポスティング、グーグルのリスティング広告などなどです。以下各広告媒体について自分なりの考えを書きます。


郵便局のポスター貼り― 毎月五千円払えば郵便局のカウンターに貼らせてくれる。順番待ちのお客さんが見てくれるかも(→効果無し。3か月で中止しました)
店の看板― 当たり前ですが、店を出すことは一番の広告かもしれません。「前から店あることは知ってて今回試に来てみた」というお客さん多数います。特に年配の方は実店舗があることで信用して何度も来てくれる人が何人もいます。ネット店舗専業もコスト低く魅力ありますが、今のところは実店舗のメリットが大きいので続ける予定です。
ホームページ作製― 店の顔として今の時代は欠かせません。今のところ300アクセスで1件の買取申し込みです。今後はこのアクセス数を増やすことが目標です。
新聞折り込みチラシ― 1枚あたり印刷3円、配布3円なので1千枚配布すると6千円と割高ですが、原稿作成も手伝ってくれたり、チラシお断りのマンションにも配れたり、とメリットもあります。また、最近若い人は新聞取る人少ないですが、年配で所得の高い人が新聞取ってるので、良いモノを売ってくれます。
ポスティングー 今のところ1枚あたり配布3-4円程度でやってくれます。大手印刷ネット会社に印刷頼めば1枚あたり1.2円でカラー印刷できるので、1枚あたり全て込で5円で配布できます。メリットは住所が番地まで指定できることです。ただし、チラシの内容がインパクト無いと効果ありません。今までいろいろ試してますが、自分ではこれはちょっと変かな?と思った「28kgのマグロを釣った写真と、細かくて読みにくい字が一杯のチラシ」が一番効果あり、毎回0.1%から0.2%の反響率(1万枚配布すると10人から20人の反響)があり、続けて使っています。
グーグルのリスティング広告―広告表示の地域エリア指定可能、単語は選び放題、文章の広告、画像の広告も可能、など選択肢の広さは紙媒体の比ではありません。特に若い世代では古本などを売る際も、スマホなどネットで検索してから行動する人が多く、避けては通れません。最近うちでも  ネット経由のお客さん→30台前後の若いお客さん チラシ経由のお客さん→後期高齢者医療保険対象の方々  と見事に客層が分かれています。

最後に。大手の本中心のネット販売会社A社でも本、CD,DVDオモチャなどいろいろ売っていますが、A社関係の方に聞いたところ、その圧倒的販売力のあるA社でも本のジャンルについては売上、利益ともに毎年右肩下がりだそうです(ちなみにCD売り上げも)。紙の本については趨勢的には電子書籍やダウンロード販売に押されているのかもしれません。知恵を絞って頑張っていきましょう!

山本 雅輝
古本・不用品の処分、回収、出張買取ならメディアリユース [東京(杉並・荻窪)/神奈川(横浜・川崎)]

http://mediareuse.miyabim.jp/

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